学びの車窓から

小学校教員です。日々の実践、考えたことをつらつらと。

研修で何を伝えるか。その先に何を望むか。

 

年明けに2回、一人一台端末の研修をすることになっている。

これまでやってきた研修はHow toの側面が多かった。

急ピッチで端末を配布し、活用しなければいけない状況となり、最低限の使い方を全ての教員が周知しておく必要があったからだ。

 

端末を配布して、2週間弱。

同学年の先生方はどんどん試してみて、自分なりの活用の仕方を編み出しているようだが、他の学年には中々普及しない。

 

ネットワーク等の問題ももちろんあるが、何よりも、

 

「よく分からない・・・」

「使わなくても授業できるやん。なんでわざわざ使う必要あるの?」

「めんどくさい」

 

そういった思いが感じられる。

 

 

だからこそ、ここらで「何のための一人一台端末なのか?」という話をしていこうと考えているが問題はどう伝えるかだ。

基本的に現場では、こういった理念の話は敬遠される。

そんなのいいからどう使うのかをレクチャーしてほしいと言われたこともある。

だが、「何のため?」という土台を全員で確認して、共通了解を得ていないと今後間違いなく端末の使い方等で色々といちゃもんをつけられたり、

端末の使用から逃げ続ける人が出てくるのは目に見えている。

 

というわけで、自分自身何のための一人一台端末なのかを再び勉強中。

文科省の資料を再読したり、

中央教育審議会(第126回) 配付資料:文部科学省

 

こういった本を読んだりしているわけだ。



 

時間をかけてこういった研修を考えるのは、自分が端末を使ってやりたいことを文句言われずにやれるようにするためでもある。

例えば、こんな実践。

 

3学期に挑戦してみたいな〜と思っているところ。

 

 

結局、研修を実施する自分が一番学びになっている。

これはこれでありがたいことなんだが、理想は自分以外の誰かが実践を発表するできるようにすること。

何より、「やれそう」「やってみよう」と思ってもらうことであり、行動変容が起きることだ。

そのために何を語るか。どう語るか。

とりあえず冬休みにたたき台を作っておこう。

 

 

信じ抜くこと

えんとつ町のプペルを見てきました。

 

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西野さんの本を読んで、絵本はまだ未読でしたが

まずは映画を見ることに。

 

 

この本もすごくおすすめ。

 

「どうせ無理。」

「現実を見ろ。」

「夢なんか見るな。」

 

そう言われて挫折した人たち、そして今現在自分の夢が実現することを信じ続けている人たちに響く映画だと思います。

 

学校現場、自分の今の現状とも照らし合わせながら見ることができ、考えさせられました。

 

 

個人的に好きな登場人物はアントニオ。

1番感情移入できるキャラクターでした。

 

 

1年が終わる。

久しぶりのブログ。

 

ここ1年は大学時代の友人と振り返りの共有をしていたため、ブログ等から離れていました。

友人と振り返りをしていると、思ったことを気ままに書けるのはいい点ですが、

「他者に伝える」

という意識は薄くなっていく感覚があり、ブログやnoteでのアウトプットもしていくべきかなと思っています。

(元々言うほど更新できていませんでしたが。)

 

今年が始まる際に、自分が考えた目標は「スマホの先に」でした。

まさかこのような事態になり、よりスマホに依存することになろうとはつゆ知らず。

この1年でできなくなったことはたくさんありましたが、

学校にもようやく一人一台の端末が実装され、いよいよ公教育が変わらざるを得ない段階に来ているという個人的な緊迫感が高まってきた1年でもありました。

 

一方で、これだけの事態になっている今でさえ、

変わろうとしない、変わらない現場の空気に辟易もしました。

 

ただ、忘れてはいけないのが自分もその辟易している組織の一員だということ。

批判するのではなく、どのような組織であってほしいのかを考え、共有すること。

何より、自分自身がどう在りたいのか。

そして、今自分は職場でそう在ることができているのかを問うこと。

 

幸いにも、今までよりもそういったことを考え、

全体にも問うことができる役割を担えています。

 

3学期どんなことを伝えるかゆっくり考える冬休みにしよう。

「ありかた」を考えるのをやめた

「ありかた」の続きを書いていましたが、自分でも訳が分からなくなってきたので、

まとめるのをあきらめました。笑

 

一応、下書きは書いていたのですが、なんか言語化できていない。

自分の中でしっくりきた感覚を言葉には落とし込めていません。

 

まとめているなかで、「ありかた」を考えるには、理想だけではなく、「自己愛」も

考えなければならないのではとなり、色々と思考が右往左往している。

 

実際に人に会い、対話をして、もう一度落とし込み、

言語化できる!」と思ったらまとめてみよう再挑戦しようかな・・・

 

そして、地味にnoteを始めてみようかと思っています。

 

ブログからnoteへの移行を考え中です。

更新頻度は少ない、ブログですがどう活用していくか改めて考えよう。

 

 

 

「ありかた」について考える ①

 

最近、「ありかた」という言葉をよく聞いたり、見かけたりするようになりました。

教師である自分にとって、そして働く大人たちにとって、どうありたいかというのは、

切実な問いだとひしひしと感じています。

なので、自分なりにちょっと考えてみようかと。

 

「ありかた」の意味を調べてみると、

 

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https://dictionary.goo.ne.jp/word/在り方 より

 

この2つ似ているようで、違う。

 

①はつまり、「〜であるべき。」という理想像のこと。

②自分や事象がありのままの状態であること。

 

だと、個人的には考えることができると思います。

そして、僕が考える「ありかた」というのを結論から言うと、

 

自分の「ありまのままの状態」と「理想像」が一致した状態のこと

だと思っています。

 

言葉にしてみれば、当たり前ですが、この「ありのままの状態」というのは

つまり、自由の相互承認の原理を基盤に、自らの〈自由〉を文字通り、ありありと実感していることです。

そして、理想とは、「自分の欲望の最上位概念」だと個人的には思っています。

*〈自由〉と自由の相互承認については、以下の本を参照。

 

「自由」はいかに可能か 社会構想のための哲学 NHKブックス

「自由」はいかに可能か 社会構想のための哲学 NHKブックス

 

(これは本質観取をちゃんとしたい。もう少しちゃんと本質定義できそうですが、僕個人の思考では今のところこれが限界です。だから、まだ更新し得る。*本質観取については以下の本を参照。)

 

はじめての哲学的思考 (ちくまプリマー新書)

はじめての哲学的思考 (ちくまプリマー新書)

 

 

 

つまり、この理想が実現されたとき、人は自らの〈自由〉を実感し、

それはなにものにも耐えがたい、ありありとした実感を抱くからこそ、

その実感を求めて、今「ありかた」について考える議論が多くなされているのだと思います。

 

マズローが5段階欲求の最上位に「自己実現の欲求」を置いたのもこれ故では?

と心理学的にも考えてみたいところです。

(*晩年に提唱された超越した欲求についてはひとまず置いておきます。)

 

今、この世の中で、「ありかた」を求める人が多いのは、社会の変化の要因もかなり大きいと思っています。

大量生産・大量消費のモノの所有に価値が置かれた時代から、

テクノロジーが発展し、人はモノよりコト、

つまり、その人や物事に宿るストーリーに価値を置くようになりました。

AIに仕事の大半が奪われるかもしれないという議論がわき、自分が機械に取って変わられる存在になるかもしれない。

 

そんなある種、時代や社会からの承認に怯える人たちが、自分は価値のある存在だと思いたい、

この時代で自分にできることは何かと思い悩み、「ありかた」を考えるんだと思います。

 

それはより、〈自由〉に、つまり生きたいように生きたいという人の根源的な欲望です。

 

しかし、この「あり方」というのは、はじめに確認した2つの意味を混合させると、

本来、自らの〈自由〉をありありと実感し得るはずの「ありかた」が、自らを「不幸」に貶めるものへと

転換してしまうと僕は思っています。

 

 

そのことについて次はまとめようと思います。

 

最近読んだ本のまとめ

この2週間とにかく本を貪って読んでいました。

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ずっと活用していなかったブクログを活用して、記録と簡単な感想を書き、アウトプットも習慣に。

やっぱり記録に残っていくと読書のモチベーションも上がります。

 

とりあえず自分自身の振り返りもかねて、この2週間で読んだ本を紹介。

【じっくり時間をかけて読むのがオススメな本】

【ほどよい文章量でお勧めできる本】

【小説・漫画おすすめ本】

を大きくこの3つに分類してみようかと思います。

*あくまで個人的な興味・関心に基づくおすすめですので悪しからず。

 

 

【じっくり時間をかけて読むのがオススメな本】

 

増補版 「考える力」はこうしてつける

増補版 「考える力」はこうしてつける

 

 

 

ようこそ,一人ひとりをいかす教室へ: 「違い」を力に変える学び方・教え方

ようこそ,一人ひとりをいかす教室へ: 「違い」を力に変える学び方・教え方

 

 

 

「学びの責任」は誰にあるのか: 「責任の移行モデル」で授業が変わる

「学びの責任」は誰にあるのか: 「責任の移行モデル」で授業が変わる

 

 

吉田新一郎翻訳シリーズ。

学びの個別化・協同化・プロジェクト化を実践しようと思うのであれば、どれも必読。

ただ、翻訳本は正直苦手。

めちゃくちゃ大事なことが書いてあるはずなんですが、油断すると読み落としてしまう。

自分の教室での実践と関連づけながら読むのがお勧めです。

特に「考える力はこうしてつける」(増補版)は吉田さん翻訳本を読んだ中でも、

原点にして頂点

という感じがしました。

折に触れて再読したい。

 

 

 

学習指導要領の読み方・活かし方-学習指導要領を「使いこなす」ための8章

学習指導要領の読み方・活かし方-学習指導要領を「使いこなす」ための8章

 

 

こちらも必読。

文科省の方がこれだけ現場を後押ししてくださる本を書いているのは本当にありがたい。

学習指導要領は教員に託されたいわばロードマップ。

使いこなすか否かは自分たち次第です。

 

 

「自由」はいかに可能か 社会構想のための哲学 (NHKブックス)

「自由」はいかに可能か 社会構想のための哲学 (NHKブックス)

 

 

最近では、「自由の相互承認」という言葉は一種のマジックワードのようになっていますね。

自分も当たり前のように使っているけど、

「本当に分かってる?」

と常に自分に問うています。

自由とは、諸規定性における選択・決定可能性のことである。

この前提をすっ飛ばしてしまいがち。(・・・反省。)

何度もなんどもこの原点に立ち戻りたいと思います。

 

【ほどよい文章量でお勧めできる本】

こちらの部門は

・ビジネス書部門

・教育関連部門

の2つに分けます。

 

ただ、ビジネス書部門を教育に関連するので、読み方次第。

教育書以外に教室や学校のことを考えるヒントがあると改めて考えさせられます。

 

・ビジネス書部門

超絶おすすめ。

クラスづくりと関連することがたくさんあります。

組織はそもそも

①誰のために存在するのか。

②何のために存在するのか。

今、ここにおけるあり方を徹底的に見つめ直し、幸せな組織を作った手法が描かれています。

 

 

世界中の億万長者がたどりつく「心」の授業

世界中の億万長者がたどりつく「心」の授業

 

 

まだ読んでいる途中ですが、この本の自分の心に気づく手法が組織作りにも生かされている感じ。

これらの本の自分の心のありよう、つまり自分自身の在り方や「〜あるべき」という理想像と現実とのギャップを解消するためのより具体的な手法を紹介しているのが、こちらの本。↓

 

 

ストレスを操るメンタル強化術

ストレスを操るメンタル強化術

 

この本が個人レベルでは実践しやすことがたくさんあるかも。

 

最初に紹介した苫野先生の「自由」はいかに可能かー

の中では、不幸を感じる原理的理由について次のように述べています。

 

①欲望の中心点が結ばれていないこと。
②欲望と能力に著しい不均衡があること。

 

この不幸の原因を克服するために思考するべきことは、

①どうすれば欲望の中心点を見出せるか
②どうすれば欲望と能力の均衡を得られるか

 

という2つ。本の中でも具体的な克服するための思考が描かれていますが、

上記で紹介した本はそれらをより、具体的な手法に落とし込んでいるとも考えられそう。

 

 

今いるメンバーで「大金星」を挙げるチームの法則――『ジャイアントキリング』の流儀

今いるメンバーで「大金星」を挙げるチームの法則――『ジャイアントキリング』の流儀

 

 

チームづくりについて学ぶのに、大いに参考になります。

ジャイアントキリング読んだことないけど、楽しめました。

漫画も読みたくなる。

 

 

人間は、人を助けるようにできている

人間は、人を助けるようにできている

 

 

ベトナムでの無償の医療活動を行う医師のお話。

生き方について考えさせられます。

『学び合い』実践者の方には、かなりお勧めです。

まさしく「1人も見捨てない」なのかなと。

 

 

働き方革命―あなたが今日から日本を変える方法 (ちくま新書)

働き方革命―あなたが今日から日本を変える方法 (ちくま新書)

 

 

具体的な手法が詳しく書いてあるわけではありませんが、考え方にとても共感できます。

生産性を上げることだけが必ずしも働き方革命ではない。

 

 

 

何となく西野さんの本は避けていたんですが、とてもおもしろかった。

これからの社会では、いかに個人の信頼を積み重ねて、自分のストーリーに共感してもらうかが鍵になる気がします。

他の著作も読みたい。

 

 

 

 

・教育関連部門

 

あそびの生まれる場所?「お客様時代」の公共マネジメント

あそびの生まれる場所?「お客様時代」の公共マネジメント

 

 

 

あそびと学びは切り離されない。

子どもたちが遊べる場ってどんどん少なくなってきている。

自らが関わる社会に当事者意識をもつことを実感するために教室で何ができるか考えさせられます。

これはじっくり部門だったかも・・・。

 

 

 

ケーキの切れない非行少年たち (新潮新書)

ケーキの切れない非行少年たち (新潮新書)

 

 

話題の一冊。

教育関係者は一読すべきだと思います。

 

 

 

人生100年時代を生き抜く子を育てる! 個別最適化の教育

人生100年時代を生き抜く子を育てる! 個別最適化の教育

 

 

こちらは一度まとめているので省略。

http://manabinosyasou.hatenablog.com/entry/2019/11/05/173723

 

 

 

Twitterで話題のさる先生の本。

前作よりこちらの本が好きです。

教員一人ひとりがミッションをもてば、現場は少しずつよりよくなっていくはず。

勇気をもらえる一冊でした。

 

 

 

【小説・漫画おすすめ本】

私の消滅 (文春文庫)

私の消滅 (文春文庫)

 

 

本日は、お日柄もよく (徳間文庫)

本日は、お日柄もよく (徳間文庫)

 

 

小説はとことんどんよりした作品か、起承転結のハッキリした作品に好みが極端に分かれましたが、

色々読んだ中でこの二冊がよかった。

「本日は、お日柄もよく」はスピーチの勉強にもなりますね。

 

 

おすすめしていただいて一気に読んでしまった。

高校生のときに倫理を学びたかった。

哲学好きな人には特にオススメできる。

 

 

とりあえず、色々読んだ中で個人的一押し本たちを紹介しました。

久しぶりに読書に没頭して、頭の中にGoogleマップが出来上がっていく感覚を味わうことができた気がします。

(まだまだ狭い領域ですが・・・。)

 

誰かの関心のフックに少しでも引っかかってもらえれば。

 

バビロン

 

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https://www.amazon.co.jp/%E3%83%90%E3%83%93%E3%83%AD%E3%83%B3/dp/B07YNB6KV5

 

 

これはおもしろい…。

 

政治、道徳、正義…

色んな面から見ることができるアニメです。

 

天気の子もそうでしたが、

実写では表現しきれないことをアニメだからこそ、表現し、問いかけている。

こういう作品は好きです。

 

ちなみに、新シーズンが始まったPSYCHO-PASSもかなりオススメ。PSYCHO-PASS好きな人は絶対ハマります。

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ちなみに僕が大学生のときに、読書欲を焚きつけたのがこの作品です。

 

作品中に、哲学者や小説家の言葉を引用したセリフがたくさん出てくるんですよね…

 

シーズン1に出てくる槙島聖護は全てのアニメ作品で1番好きなキャラクターです。

 

 

バビロンこれからどうなるかめちゃくちゃ楽しみ…。

大学生とかこれをテーマに哲学対話とかしたら楽しそうです。

とにかく一旦3話まで見てみることをオススメします。

 

息抜きがてらぜひ。

余計、頭が回転し始めるかもしれませんが…笑

 

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