学びの車窓から

小学校教員です。日々の実践、考えたことをつらつらと。

振り返りを共有すること

 

算数のジコマナ(自己主導の学び)も5時間目。

 

今日は前回の単元、多角形と円をくわしく調べようのテストを返し、そのやり直しも課題として取り組みました。

 

やり直したテストはもってきてもらい、最後の問題だけ、なぜそうなるのか説明してもらいました。

僕は子どもたちの様子を見ながらテストを持ってくる子の説明を聞いていました。

 

子どもたちの様子を見ながら、一生懸命友達に説明している子もいれば、早々とやり直しを終え、先に進む子もいました。

 

そこで気になったことが。

 

課題を終えた何人の子が仲良しで固まって明らかにおしゃべりメインになってしまっている。

どうしようかと悩みましたが、とりあえず見守っていました。

 

ジコマナでは以前までの『学び合い』と異なり、最後にサークルを作って、振り返りを子どもたちと対話する形にしています。

 

理由としては、

・自分の語りだけでは、限界を感じていたこと。

・振り返りを全体で共有したいと思っていたこと。

・自分自身も試行錯誤の取り組みなので、学習者である子どもたちの声を聴きたかったということ。

 

イエナカフェのワークショップに参加してから、体験や学習を次に活かすための振り返りについて考えた結果、とりあえず今はサークルでの共有の形にしています。

 

 

実は、テストを返したあとに1人の男の子が泣いていました。

なぜ泣いていたのか?と問うと、

クラスで目標にしていた80点に届かなかったからということでした。

 

その子は算数が苦手で、今回は78点。

あと少しで目標達成できていた。その悔しさが滲み出たのだと思います。

そのこともあり、サークルを作って子どもたちに問いかけました。

 

「みんなテストもらって分かったと思うけど、目標の全員80点以上には届かなかったよね。今回は今まで一番目標に近づいたテストだったと思う。だけど、まだ足りなかった。前回までの『学び合い』の時間、みんなが80点以上取るために何が足りなかったんだろう。」

 

「あと今はジコマナの時間に新しく取り組んでいるよね。それぞれ目標の点数、クラスの目標点数を決めてもらいました。今その目標を達成できそう?今日の時間を振り返ってみて、ちょっと近くの人と話してみてね。」

と子どもたちに投げかけました。

 

そこで子どもたちから出た言葉。

「自分が進むのに夢中で周りを見れてなかった。」

「男子・女子で固まってしまっている。」

「仲良しで固まって関係のない話をしていた。」

などなど。

 

「じゃあどうすればよいと思う?」と投げかけると、

 

「ペースをある程度決める。」

「分からないときに、「助けて」と言えるような雰囲気をつくること。」

「ペアを決めてやってみる。」

など色々な意見が出てきました。

(どちらも模造紙にまとめたけど、写真撮り忘れた・・)

 

自分が毎回語らなくても子どもたちの中にクラスの状態を把握している子はいる。

だけど、それを言う機会って中々ないし、言うにしても勇気のいることなんじゃないかなと思います。

サークルを作るとそれが自然と言えていて、サークルのよさを実感した今回の振り返り。

何より、学習者である子ども達自身の口から語られた言葉の方が、ほかの子たちにも響いている気がしました。

そして、自分も子どもたちの言葉から気づくことがたくさんあります。

今回の振り返りを経て、次のジコマナがどうなっていくかとても楽しみです。