学びの車窓から

小学校教員です。日々の実践、考えたことをつらつらと。

読書記録〜先生と子どもの「怒り」をコントロールする技術〜

『学び合い』についての1年間の実践を振り返ろうとしていたのですが、中々考えがまとまらず読書に逃げていました。

 

しかし、久しぶりの良書に出会いました。

 

先生と子どもの「怒り」をコントロールする技術 (ナツメ社教育書ブックス)

先生と子どもの「怒り」をコントロールする技術 (ナツメ社教育書ブックス)

 

 

書店で見つけて何気なく手に取った本ですが、とてもよかったです!

怒りの感情とは何なのか、アンガーマネジメントについて、具体的な学校現場で自分の怒りとどう向き合い子どもたちや保護者、同僚と折り合いをつけていくかなど。

可愛らしいイラストとは裏腹に、内容は理論と実践を織り交ぜたかなり深い内容となっていました。

 

教師になる前、

「怒る姿が想像できない!」

とよく友達から言われ、自分自身もそう思っていました。

 

実際に現場に出ると、自分でもこんなに怒ってしまうのか!と思うことばかり(笑)

常にイライラしている日もあって、子どもたちを怒鳴った後に、

「もっと他の方法があったんじゃないのか?」

と反省する日々でした・・・。

 

ただ、この本に書いてあるように、「怒り」という感情は人として自然な感情であり、それをどのように認知変容させていくのかが大切になります。

 

自分の場合は、他の先生方が子どもを怒鳴る指導を見て、

「子どもたちをきつくしかって反省させなければならない。」

「子どもたちに舐められてはいけない。」

という「〜ねばならない」「〜すべき」思考が働いていたのだと思います。

 

他の先生たちの指導から学ぶことはもちろんたくさんありますが、自分自身がどんな風に子どもたちと向き合っていきたいのかを考え、自分の「怒り」に向き合っていかないとクラスで子どもたちに言っていることと矛盾した指導をしてしまうなと、この本を読みながら自分を振り返っていました。

 

 

以前、体罰についての研修があったとき、その内容は、

体罰がいかに悪いものであるか。

どんな法律があって、体罰をするとどんな罪に問われるのかというもので、最後に宣誓書を書くという、

思わず、「これって意味あるの?」と感じてしまうものでした。

 

体罰が許されないものであることくらい、現場の先生たちは身に染みてわかっていらっしゃるはず。

大事なのは、どうして体罰と言われるような事態が起きてしまったのかということ。

子どもの対応で大変だったのかもしれない。

たくさんの仕事を一人で抱えこんでいたのかもしれない。

保護者や同僚と上手くいっていなかったのもかもしれない。

・・・などなど

挙げればきりがないくらい、今の学校現場では考えられうる要因がたくさんあります。

理由があったからと言って体罰が許されるわけではありませんが、そういった事態を改善するためにどうすべきだったのかを研修等で学ぶ必要があると個人的には思います。

でないと、体罰の研修事態が、次の体罰への引き金となる先生たちのストレスになりかねない。

 

いきなり、勤務体制が変わるなんてことや人間関係が劇的に変化することなんてありえない。

だからこそ、自分自身の感情と向き合ってコントロールするスキルを学ぶ必要があるなと思います。